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レポート:2002年5月3日〜6日「音楽のきずなフェスティバル」

会場:兵庫県 西村計雄美術館「翠松苑」


ステファノ・グロンドーナギターリサイタル、ギター製作展、マスタークラス、タレガ記念コンサート、ふれあいコンサート、講演、座談会、パーティー等ギター関連の文化イベントとしてはかつて無い内容と規模で開催されたこのフェスティバルは音楽評論家の浜田滋郎先生監修のもと、ギタリストの北口功さんの提案により発足したボランティアグループ「きずなの会」の運営とイタリア文化会館ー京都の協力により行われたものです。
 「きずなの会」は固定メンバーは無い組織で、ある目的の為に一回限り有志が集まって組織されイベント等を行っています。過去に「音楽のきずなセミナー」と題して兵庫県、茨城県にて音楽セミナーがおこなわれました。今回はその活動の集大成としてのフェスティバルとなりました。



初日 5月3日(金曜日)

15:00 フェスティバルは講演「近代ギターの精神」(講演:浜田滋郎先生、ききて:北口功さん)によりスタート。講演後にはステファノ・グロンドーナさんのリサイタルがひかえていることもあり会場は超満員。浜田先生によるタレガ、リョベートの解説の後、グロンドーナさんの実演が聴け更にオーバーヒートの初日を向かえました。


2日目 5月4日(土曜日)

10:00 ギター製作展と展示楽器による演奏会、アマチュア製作家11名とプロ製作家10名の作品が製作エピソードと演奏実演により紹介されました。ふだん当たり前のように楽器を手にしている私達ですが、一本のギターを作るのがどれほど大変なことか。以下は出展者(フェスティバルプログラム順、敬称略)、司会は松村雅亘さんにより紹介が進められました。                  
マチュア製作家 椙原久之、瀧川勝雄、廣川叔哉、福田寛紀、秋月成人、井内耕二、大津倭文、佐藤忠夫、松井宏夫、松野孝志、矢敷恵                     プロ製作家 ルカ・ヴァルドネル、阿部康幸、川田一高、立石正人、寺町誠、中村通、廣川憲二、松井裕紀、松村雅亘、水原洋

15:00 講演「20世紀のギター製作〜トーレスとブーシェに学ぶ」が行われました。名工ロベール・ブーシェに直接師事をされた松村雅亘さん、トーレスの研究を進め自らもトーレスモデルのギターを製作されているルカ・ヴァルドネルさん、ホセルイス・ロマニロス著「アントニオ・デ・トーレス」の翻訳をされた佐藤忠夫さんのお話が聞き手北口功さんによりインタビュー形式により行われました。 

3日目 5月5日(日曜日)

引き続きギター製作展と出展楽器による演奏がすすみます。

10:00 ステファノ・グロンドーナマスタークラス、受講者はイタリアで現在グロンドーナさんに師事をされている太田耕平さんがバッハのチェロ組曲1番で受講、そして、17:00からはプロギタリストの北口功さんがファリャのドビュッシー賛歌で受講、このレッスンではプロ演奏家同士、この曲に対する意見交換が行われた印象を持ちました。

このように充実した内容で進行したフェスティバルですが、忘れてはならないのが期間中、絶えることなく行われたふれあいコンサートです。これはフェスティバル参加者が気軽に演奏できるコーナーとして設けられ46名の演奏がインタビュー形式により行われました。また夜は「夢と現実」と題したフリートークが行われました。


4日目 5月6日(月曜日:祭日)


10:00 フランシスコ・タレガ生誕150周年記念演奏会、このフェスティバルのメインプログラムであるこのコンサートは浜田滋郎先生のタレガについてのお話からスタートしました。以下に演奏者と演奏曲(敬称略、演奏順)
田中順 グランホタ、ムーア風舞曲
平嶋謙二 アラビヤ風奇想曲
渡部延男 アルハンブラの思い出
増井一友 前奏曲2〜5番、プリュダンの練習曲、アラールの前奏曲
今野雅生 メヌエット、マラッツの「スペイン風セレナーデ」、ショパンの「ノクターン」
北口功 ラグリマ、マリア、シューマンの「子守唄」
ステファノ・グロンドーナ アデリータ、マリエータ、夢、マズルカト長調、前奏曲1,11、オレムス・エンディチャ、アラビア風奇想曲

13:00 フェスティバルパーティーです。グランドフィナーレとなるこのパーティーでもアコーデオン、琴、マンドリン、フォルクローレギターなどの演奏が行われ時間が許されるかぎり盛り上がりました。


連日100名を超える来場者がありました


ギター製作展出展楽器の演奏。中央製作者徳島ギター協会の井内さん、左側演奏者の徳永君、右側司会のギター製作家の松村雅亘さん

楽器の展示風景
グロンドーナ氏の公開レッスン 受講者はイタリアで同氏のレッスンを受けている
太田耕平さん。中央は通訳をされる浜田滋郎先生

タレガ生誕150周年記念演奏会

グロンドーナ氏の公開レッスン 受講者はプロギタリストの北口功さん、
ファリャのドビッシー讃に対してグロンドーナ氏と貴重な意見交換が行われた


タレガ生誕150周年記念演奏会出演者、
中央は当フェスティバル監修の浜田滋郎先生
貴重な公演が行われた。左側はグロンドーナ氏との共著「La Chitarra Liuterir」
を出版されたイタリアのギター製作家ルカ・ヴァルドネル氏

講演「20世紀のギター製作〜トーレスとブーシェに学ぶ」

スタッフ一同で記念撮影。最前列右から3人目が私

上は名物になったフェスティバルの顔「看板」です
福岡から参加をされた小柳美穂さんの作品です