■よくある質問 クラシックギターとアコースティックギターはどう違う?

ギターは数百年という歴史ある楽器です。その元祖というのがクラシックギターになります。
ただしクラシックギターもその歴史の中で改良がくわえられており現在のスタイルが確立されたのは1900年位になります。
この頃はギターと言えばクラシックギターしか無かったのですね。アコースティックギターはもっと後に出てきたスタイルの楽器です。

さて、現在は色々なスタイルのギターがありますが、まず大きく2種類に分類すると

1.アコースティックギター(生ギター)
2.エレキギター

に分かれます。

エレキギターは楽器そのものにサウンドホール(音を拡大する空間)がないので弦の音しか聞こえず、アンプを接続することで音を拡大したり
ひずませたりする電気ギターです。

アコースティックギターはアンプにつながず、サウンドホールがあり楽器のみで音を出すギターになります。
つまり広い意味ではクラシックギターもアコースティックギターの一種になるのです。
また、このアコースティックギターにマイクを取り付けてアンプにつながるギターもあり、この種の楽器はエレクトリックアコースティックギター、約して
エレアコ・・・と呼ばれます。

さて、アコースティックギターですが、こちらも2種類に分かれまして、基本的に

1.ナイロン弦を張ったものはクラシックギター
2.スチール弦を張ったものはアコースティックギター

と呼ぶようになっています。今から40年くらい前にはこのスチール弦を張ったギターは主にフォークシンガーが歌の伴奏に使ったので
フォークギターと呼ばれていたのですが、フォークソングの流行が終わるにつれアコースティックギターと呼ばれるように変わってきました。
それ以外にも歌の伴奏として使われてきたギターがソロ楽器として使われるようになった影響もあるかもしれません。
クラシックギターとアコースティックギターは張る弦の張力が違いますし弦の音色も異なるのでギターの作りは全く違います。

クラシックギターとアコースティックギターの違いは簡単にまとめると以下のようになります。


■クラシックギター

 全てのギターの元祖になります。楽譜をつかいましてレパートリーは

 基本的にクラシック音楽をベースに学びます。

 ギター一台でメロディーから伴奏までを演奏します。

 指で演奏します。

 弦はナイロン弦を使用します。
 楽器自体はあまりデザインの違いはありません。


■アコースティックギター

 タブ譜(押さえるポジションが記載してる図)を使いコードで演奏します。

 レパートリーは最近のポピュラー音楽が中心です。

 指で演奏しますが、場合によってピックを使う場合があります。

 一台で演奏する場合もありますが、主には歌の伴奏楽器として使用します。

 弦はスチール弦を使用します。
 楽器自体はデザイン性も重要視されており色も形も多彩です。


クラシックギターを選ぶのか、アコースティックギターを選ぶのかは結局、どんな音楽を演奏したいかによります。
傾向と言う話になりますが、ポピュラー音楽を演奏したい方はスチール弦のアコースティックギターを選び、伝統的な音楽(クラシック音楽)を演奏したい方は
クラシックギターを選ぶようになります。
ただし、クラシックギターでポピュラー的な音楽・・・たとえばビートルズなど・・・をソロで演奏することはありますし、アコースティックギターでバッハなどのクラシック音楽を
演奏する場合もありますので、どちらのギターの音が好きか・・という観点で楽器を選択することも考えられるでしょう。
私がクラシックギターを演奏してきて感じるのはナイロン弦はそれならではの表現の豊かさ、奥行きある深みがある音になりますので深く音楽を学びたい方には
クラシックギターをお勧めしたいと思います。

もう一つ、楽譜とタブ譜の違いについてお話をしておきます。
タブ譜はその歴史は古く楽譜ができる前から存在していました。タブ譜では表現できない音楽的要素表を現できるようにを進化してできたのが楽譜なのです。
タブ譜は楽器で押さえるポジションを図で示しているもので作曲者の意図であるとか作品の本質自体をあまり表現することはできません。
また当然ですが楽器が変わると楽器の構造も変わりますのでそのタブ譜は使えなくなります。
それに対して楽譜は作品に対する様々な情報が網羅されており楽器が変わっても楽譜は同じになります。(もちろん楽器の違いにより演奏可能か否かはありますが)
そのような事で楽譜を理解できるという事は作品に対して深く思考できると言うメリットがあるのです。

クラシックギターはギターの元祖でもありますので基本としてまずクラシックギターを学んだうえで最終的にどのギターを選択するか方向を決めた方が良いと思います。
クラシックギターを学んでおけば後にアコースティックギターを選んでもエレキギターを選んでもその知識は生かされるものですが、
アコースティックギターやエレキギターからクラシックギターに進むのはなかなか厳しいものがあります。
その理由はそれらの楽器は基本的にコードによって演奏し楽譜を読むことができない事、それから演奏スタイルの違いによって
クラシックギターに必要な指の動きが身につかないからです。

さて、音楽にはジャンルがあります。クラシック、ジャズ、ロック、ポピュラー等々。
これらは商業的に便利に分けられたものといるでしょう。音楽は音楽でしかありません。そして音楽には良い音楽とそうでもない音楽があるのです。
ジャズはアメリカで黒人の方達がまだ人権を認められていない時代、黒人たちがその気持ちを歌にして黒人霊歌が誕生しそれをベースに生まれたものです。
まだ100年も経っていないのです。やがてジャズからブルースが登場しブルースが発展しロックが生まれていきました。
ロックもまだ80年くらいの歴史です。ロックが生まれたころは既に商業主義が確立されていたもののジミー・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、ビートルズと
いったアーティスト達はロックによって魂の叫びをつたえ高い精神性を持った音楽を奏でていたと言えるでしょう。
今のロックは完全に商業主義に乗っ取られてしまったように見えます。

クラシックというとどんな音楽を想像するでしょうか。モーツアルト?それともベートーヴェンあたりでしょうか。
音楽が音楽として認識できるようになったのは今から1000年以上前に誕生したグレゴリオ聖歌からでしょう。
宗教的な言葉を単旋律で限られた音で表現をしていたグレゴリオ聖歌。クラシックとは特定の分野を示す音楽ではなくながい歴史の中で本当に良い音楽が
時代を超えて伝えられてきたものなのです。ですからジャズの中でもロックの中でも良い音楽はやがてクラシックとして残っていくのだと思います。
既にビートルズの曲はクラシックの音楽家たちがレパートリーとして取り上げるようになっているのです。
クラシックの作曲家たちはこの数十年、楽譜を超えた音楽表現を模索するようになってきました。楽譜上での表現には限界がある、旋律を持たない前衛的な実験が
行われてきたのですがこれからの音楽はどのように発展するのかと思っています。
今盛んにヒットチャートで取り上げられる音楽は商業的なものが多くなりました。それらの音楽は果たして20年後に存在しているのでしょうか。
そのような事を考えると音楽を学ぶ価値が何かという事が見えてくると私は思っています。

 

   
 クラシックギター  アコースティックギター

戻る